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【不動産賃貸業における経費】~個人編~「減価償却費」について

 
減価償却費
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こんにちは。大阪府の寝屋川市・枚方市を中心に不動産オーナーを支援している税理士の平川(@asse_t_ax)です。

不動産賃貸業における経費のなかで、一番大きな割合を占めるものが「減価償却費」であると思います。

そのため不動産オーナーは「減価償却費」についての知識を深めておくことが重要になります。

 

減価償却費とは

まずは、「減価償却費」というものがどんな経費なのかということについてみていきましょう。

 

減価償却費のポイントは大きく2つあります。

📝【Point】

  • そもそも形あるものは取得してから年数が経過するにつれ、徐々に劣化していくものである
  • 資産は使用することにより、使用期間にわたってその効果を発揮するものである

 

不動産オーナーが所有する賃貸マンションなどは、年数が経過するにつれ外壁のタイルにひびが入ったり、雨漏りが発生するなど、さまざまなところに劣化が生じます。

減価償却費は、この資産の劣化を徐々に費用化していくことをいいます。

 

また、税法では「費用と収益を対応して計上するという大原則」があるのですが、たとえば賃貸マンションを1億円で購入した場合に、その購入額である1億円を購入した年の経費として一括で計上してしまうと、費用と収益が対応しないこととなってしまいます。

減価償却費として使用期間に応じて経費に計上することにより、費用と収益の対応が可能になり、毎年の事業の所得を正確に計算することができます。

 

固定資産の使用期間とは

減価償却費を使用期間にわたって経費に計上するということはご理解いただけたと思います。

 

では、その使用期間はどのように決定すればよいでしょうか。

税法上は、固定資産の使用年数のことを「法定耐用年数」と表現するのですが、その耐用年数は資産の種類ごとに国が定めています。

耐用年数とは、「固定資産の寿命」のことをいいますが、実際には、資産の使用状況やこまめにメンテナンスをほどこすことなどにより、耐用年数以上に使用することが可能であったりします。

しかし、耐用年数が納税者の判断によってコロコロ変わると恣意性が介入することになり、課税の公平が保たれないため、国が一定の基準をさだめているのです。

 

📝【大家業における耐用年数の例】

  • 建物(木造) 22年
  • 建物(重量鉄骨) 34年
  • 建物(RC造) 47年
  • エレベーター 17年
  • 電気設備などの付属設備 15年
  • 太陽光発電設備 17年
  • 車 6年

 

耐用年数が融資に与える影響

上記で説明した法定耐用年数は「減価償却費の計算」に影響を与えます。それとは別に、賃貸マンションを購入し、融資を受ける場合においては、「融資期間」にも影響をおよぼします。

 

基本的に銀行が「融資期間を算定」する場合の計算方法は、

ローン期間 = 法定耐用年数 - 築年数

で計算することになります。

 

たとえば、築10年の建物を購入した場合の構造別の融資期間は、

木造:22年 - 10年 = 12年

重量鉄骨:34年 - 10年 = 24年

RC造:47年 - 10年 = 37年

となり、耐用年数が長い建物ほど融資期間を長くとれる計算になります。

 

ちょっと考えれば、木造なら耐用年数が短く、毎年の減価償却費が多くなるため、「節税になるし木造のほうがいい」となるかもしれません。

ですが、それと同時に木造は、融資期間も短くなります。その結果、毎年の返済金額が大きくなり、お金がほとんど残らないなんてことにも。。

不動産投資を始める場合には、キャッシュフローと返済金額のバランスを十分に検討して行う必要があります。

 

中古の法定耐用年数の算定方法

中古の固定資産を購入した場合の「法定耐用年数の算定方法」は、「見積法」と「簡便法」の2つの方法があります。

 

原則:見積法

購入時点での残りの使用期間を正確に見積もることにより耐用年数を算定する方法になります。

しかし、素人が建物などの使用期間を見積もることは非常に難しく、不動産鑑定士などの専門家に依頼しなければならないので、コストもかかってしまうことから、実務的にはほとんど採用されていません

 

例外:簡便法

簡便法は、「法定耐用年数」と「築年数」から簡単に耐用年数を算定する方法になります。

これから不動産投資を始めようとしている大家さんご自身でも簡単に計算することができるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

(1)築年数 ≧ 法定耐用年数 の場合

築年数が法定耐用年数以上経過しているからといって、その建物の使用可能期間が0年になるとは考えません。

この場合には、法定耐用年数の20%を耐用年数として使用することにしています。

築25年の木造建物を取得したばあいの耐用年数は、「22年×20%=4年(1年未満切捨)」になります。

【注意】

中古耐用年数の計算上、2年未満になる場合には、切り上げで耐用年数を2年として算定します

 

(2)築年数 < 法定耐用年数 の場合

築年数が法定耐用年数の一部しか計算していない場合には、「(法定耐用年数ー築年数)+築年数×20%」で求めることになります。

【具体例】築10年の木造の建物を購入した場合

(22年ー10年)+ 10年 × 20% = 14年

 

まとめ

「減価償却費」はモノの劣化を費用化したものになります。

融資期間は、基本的に法定耐用年数内でしか受けることができません(スルガ銀行や静岡銀行など法定耐用年数を超えた融資を出すところも増えましたが、、、)。

中古の耐用年数は、「簡便法」により算定することになります。

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