こんにちは。大阪府の寝屋川市で不動産オーナーを支援している税理士の平川(@asse_t_ax)です。
相続税対策として、「賃貸マンションの建設」や「直置き型の太陽光発電設備の設置」などによる土地活用は進んでいます。
「賃貸マンションの建設」は、建築コストが高額であることや、広大な敷地が必要になること、住宅として適した場所でなければならないことなどから、リスクが大きく、駅から近いなど利便性がよく住む場所として適した場所に土地を持っていなければ難しいでしょう。
「太陽光発電設備」については、日当たりが良い場所である必要がありますし、発電した電気の買取価格も年々減額されています。
「賃貸マンションと太陽光発電設備で共通」することは、土地の立地に左右されてしまうということです。
そこで、今回は、土地の立地に左右されにくい「貸コンテナを利用した土地活用」について、解説します。
短期的な所得税の節税にもなる
貸コンテナを物置倉庫として設置すると、その賃貸による収入は、「雑所得」または「事業所得」となります。
コンテナは「動産」に該当するので、不動産所得とはならないのです。
具体的にコンテナの賃貸が「雑所得と事業所得のどちらに該当するのか」という判断は、「事業的規模」かどうかで判断します。
「事業的規模の判断基準」は、10基以上設置しているのであれば「事業所得」になると考えられます。
コンテナの法定耐用年数
コンテナの「法定耐用年数」は、下記のとおりになります。(※国税庁のホームページ参照)
コンテナの「長さが6m未満」であれば、「3年」で減価償却できることになりますね。
事業所得の赤字を他の所得と損益通算
6m未満のコンテナであれば、その購入金額を3年で減価償却により経費として計上できます。
通常、3年間はコンテナの賃料よりも減価償却費などの経費のほうが上回り、事業所得が赤字になると考えられます。
「事業所得により生じた赤字」は、給与所得などの他の所得と「損益通算」することが可能であり、所得税を減らすことができます。
「雑所得」は他の所得と損益通算することができないので、注意が必要です。
高所得者がコンテナを設置することにより、節税効果はより大きくなるでしょう。
小規模事業用宅地の評価減で相続税の節税
コンテナの賃貸業は不動産の賃貸とは異なるため、「小規模事業用宅地の評価減」の適用を受けることが可能てす。
この特例は、「事業用の土地」に関して、400㎡まで80%評価減されます。
また、所得税の損益通算と異なり、コンテナの賃貸業が事業的規模かどうかにかかわらず、この規定の適用を受けれる点はポイントです。
なお、コンテナの賃貸業は「倉庫の設置」に該当し、建築基準法上、「建築物」とみなされ、用途地域の制限を受けることになります。
📝【制限を受ける用途地域】
- 第1種低層住居専用地域
- 第2種低層住居専用地域
- 第1種中高層住居専用地域
- 市街化調整区域
上記の地域のうち、「市街化調整区域」については、建築物を建造するにあたり、建築許可が必要であり、コンテナ倉庫の設置ではまず許可が下りないでしょう。
まとめ
コンテナの設置は、アパマン経営などに比べリスクが少なく、高利回りでの運用が可能になります。
所得税や相続税の節税も可能なので、用途地域の制限を受けない地域で、眠っている土地をお持ちでしたら、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。